blog colorim

わたしを離さないで

えーともう1ヶ月も前のことなんですけども、ふらっと観て来てました。
原作を読んだときも夢中になって、実は渋谷エクセルホテル東急に泊まっていながら部屋にこもって読んでいたという思い出ある作品でして。
過去のエントリーにリンクするのもあれなので、原作読んだ感想を引用。

いやはや、すごい話でした。非常に淡々とした描写で、物語は進む。「もしかして、もしかして・・・」と読み手がドキドキしてるところで、さらっと衝撃の事実が語られていく。ノンフィクションであるかのような錯覚をしながら、どっぷり世界に沈み、苦しく、痛く、ため息をつきながら読みふけった。 ミステリーのようでミステリーではない。なによりも、薄ら寒い感覚が残る不思議な作品。


映画「わたしを離さないで」はというと、原作の印象的なエピソードを繋いだ感じで淡々と話が進んでいくので、原作を読んでないとその淡々とした感じが味気ないというか、物足りないというか、そんな感じかなーと。想像できない人にはちょと難しいかもねーと思ったり。

話がそれるけど、うちの父はほんとに想像するってことが出来ない人で、見たまま聞いたまましか受け取れない。父も母も映画好きだからかなりの数を観てきてるはずなのに、父はほんとにそのへんが理解できないみたい。だから、心の機微を察するとか、言葉はないけどここで言いたいのはね、、、みたいな映画は全然観れない人でして。わかりやすいハリウッド超大作とかシリーズもののアクション系とかね。いや、それはそれで面白くていいんだけど、とにかくうちの父のような人には理解できない作品だろうな、と。

で、本題に戻ると、わりと早い段階で肝心の部分もわかる。感情のやり取りの描き方が素晴らしくて、嫉妬とか愛憎や慈愛、言葉がなくても目だけで伝わってくるものがグッときて、久々にボロボロ泣いた。映画のほうが主人公たちの「心」にフォーカスして描いていたような気がする。原作読みなおしてみないとわかんないけど。

風景の美しさや全体の色使いも大好きなテイストだった。空や海や自然の色すべてがいい。なかでも特筆すべきはファッション。子ども時代の制服の上に着ているニットから、大人になってからのマーガレット・ハウエルっぽい色のものなど、細かい部分まですごく好みだった。子ども〜少女時代なんて少し野暮ったい感じなのに、着ているカーディガンが超かわいいのよ!

そんなわけで、原作も映画もどちらもお気に入りという珍しい作品となりました。
どちらもオススメ。ただし、楽しい気分になるものではないので要注意。


わたしを離さないで
わたしを離さないで
posted with amazlet at 11.05.06
カズオ イシグロ
早川書房
売り上げランキング: 775