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パフューム -ある人殺しの物語-

劇場で映画を観よう!強化年間とか言いつつ、今年まだ2作目。
今回は「パフューム -ある人殺しの物語-」。

原作の存在すら知らなかったのですが、
テレビで紹介されてるのを見て、私も相方も興味津々。
チケット予約して気が付いた。2時間以上ある!
長いって!と思っていたのに、全然苦痛じゃありませんでした。

ひとことで言うと、「凄い映画」。

以下、ネタバレもアリアリ。

主人公グルヌイユは、驚異的な嗅覚を持って魚市場で産み落とされる。
大人になったある日、街で赤毛の女性の香りに心奪われる。
香りに夢中になるあまり、彼女を殺してしまうのだが、その香りを留めておく方法を求め、調香師の道を歩む。職人の町グラースへ向かう途中、彼は山の中で自分には体臭がないことに気付く・・・。

話題になってたシーンもすごいし、香りを表現するための映像や音楽もいい。
グルヌイユ役の人の演技もいいし、 ダスティン・ホフマンはさすがに物語を締めてくれる。
びっくりするぐらい歳とってたけど。

観ているときはさらっと観てたんだけど、時間が経つにつれて、ひょっとしてすごく深い意味のあるストーリーなのでは?と思うようになりまして。
ちょっと考えてみたんですけどね。


彼の孤独は産まれたときから始まります。
産まれたことにより母親が死に、自分の嗅覚が他者とは違うことを知り、売られた先では虐待を受け、彼と関わった人々(利用した人?)は死んでいく。
誰にも愛されず、愛することも知らなかった。
心を奪われた香りを持つ彼女は、自分が殺してしまい、それにより香りまで無くなってしまった。

ずっと孤独。
そのうえ、自分の体臭がない=自分は誰にも記憶されない存在だと考える。

とどめておきたい香りを作りだすために、彼は連続殺人を犯すことになるのだけど、まったく悪いことをしている自覚はないですよね。
捕まらないためにコソコソしているのは、目的を制するためかと。
執着した赤毛のローラに関しても、結局は材料でしかないわけで。

どの時点からかはわからないけれど、少なくとも死刑場での彼は、自分の存在を誇示するかのように見えた。自分には匂いがないけれど、自分が作り出した香りで、記憶に残ろうとしたのではないだろうか。

しかし、やはり孤独だった。
香りの作用で、あの話題になったシーンが訪れるわけですが、それでも彼は孤独だった。

そしてあのラストシーン。
ちょっと私の頭では解釈しきれてないのだけど、彼の心の中は「絶望」だったのだろうか。
自虐的とも思える行為の反面、生まれた場所に戻るという行動。


残虐なおとぎ話のようでもあり、(グロイシーンもあるけど)きれいな映像で描かれているけれど、
考えれば考えるほど、とてつもなく寂しい物語に思えるのです。